wakatonoの戯れメモ

はてなダイアリーから引っ越してきました。

E-mailクライアントだけじゃないだろ…

実は以前からぼーっと思ってたことではあるのだけど、Lucreziaさんの12月6日のエントリを読んで、さらにLinux Desktopに関する2つの記事(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051205/225652/http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20092053,00.htm )を読んでみて、さらにOSDLの調査結果(http://www.osdl.org/dtl/DTL_Survey_Report_Nov2005.pdf)を読んでみて…という感じで。

一応、母集団の属性や分布は、OSDLの調査結果読むと書いてある。で、E-mailクライアントが〜というのもOSDLの調査結果には書いてある。が、あくまでこれはOSDLのリサーチャーの所感であり、意見の1つとして読むのが正しいとオレは見る。この内容を鵜呑みにしてこの文面どおりの戦略を進める企業があったら、その戦略を採択した人は大物かバカかのいずれかだろう…。

ざっと見る限り、確かにE-mailクライアントは重要だし、Critical + Extremely Importantの値は90%近い。

が、ブラウザやOffice ApplicationもそのCritical + Extremely Importantの値は80%を超えている。その他のアプリケーションについて、Critical + Extremely Importantの値を見るとせいぜい60%前後にとどまっているのを考えると、"Applications critical to Linux deployment"の部分で「80%以上の人が重要視している」アプリケーションカテゴリであるブラウザやOffice Applicationについて言及していないのは何か違う気がする。

デスクトップ環境としてLinuxを〜というのであれば、Linuxで閲覧可能なデータ/コンテンツを増やすのが正道ともいえる。特に、不特定多数からの閲覧を想定しているWebサイトのコンテンツや、何らかの書類について書式を提供するサイトから得られるデータについて、Linuxで稼動可能なアプリケーションで扱えるようなものにすべきだろう。だが、Internet Explorerでの閲覧しか想定していないサイトなどは相変わらず多い。

また、ブラウザでサポートしてほしい機能(プラグイン)についてもOSDLの調査結果に挙げられているが、ActiveXの文字があったりする…。結果として、Microsoft謹製のものをLinuxでも、というような感じになっている。が、これはオレの感覚では明らかにおかしい。

ついでにいうならば、コンテンツを閲覧する側だけでなく、コンテンツを提供する側にも「特定のブラウザに依存しないもの」を作成する働きかけをしないことにはなんともならんのではないか?とか思ったりする。

何をどうしようとも、このあたりを「絶対に何を使え」というのを強制はできない。でも、システム構築をする側が「特定のソフトウェアに依存した技術」を使って、不特定多数に公開するものをつくり、そのシステムを使って「特定のソフトウェアに依存した技術」を使ってコンテンツを制作してる以上、デスクトップ環境としてWindowsが多く使われるという現状を変えることは出来ないんじゃないかな…。