wakatonoの戯れメモ

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マネジメントシステムの維持とコスト〜誰が負担するのか〜

マネジメントシステムを構築・維持運用していくにはコストがかかる。で、このコストはたいていの場合、製造物やサービスの価格に反映される。
QMS(品質マネジメントシステム)の場合、製造物やサービスの品質向上に係るマネジメントシステムの構築となるはずなので、これはエンドユーザに対する製品やサービスの魅力向上*1となって現れる。
ISMS情報セキュリティマネジメントシステム)とPMS(個人情報保護マネジメントシステム)の場合、場合によっては製造物やサービスの品質向上にもつながるだろうが、どちらかというと、「組織の信頼性向上」につながる部分が大きいため、製造物やサービスの品質向上のように「目に見える」とは言いがたい。しかし、この部分のコストもエンドユーザに対する製品やサービスの価格に反映されることになる。
QMSの場合、たいていの場合はマネジメントシステムの構築と運用を行うプロセスを実施することで、「組織の信頼性向上」に寄与することが多い。言ってしまうと、「中からも外からも成果が見える」性質のものである。
しかし、ISMSPMSは、やったからといって何が起こるわけでもない。むしろ手間ばかりが増えるように見えるわりには、「何か自分らにとって良いことが見える」というようにも見えない。
おそらく、現場が嫌がるのは、この「やることで手間が増える」という点に尽きるだろう。そうなると、いったい誰が率先してやるのだろうか。

*1:壊れやすかったり、すぐ止まるようなモンなど誰もほしがらないだろうから