wakatonoの戯れメモ

はてなダイアリーから引っ越してきました。

リスト型アカウントハッキング攻撃の目的に関する考察〜価値の高いカモリスト作成

リスト型アカウントハッキング攻撃とは,通常のブルートフォース攻撃とは違い,準備したIDとパスワードの一覧を用いてログイン試行を片っ端から行なっていく攻撃,と認識している.
IDを固定してパスワードをあれこれトライしていくタイプのブルートフォース攻撃の場合は,ログイン試行回数を超えると当該IDの利用は停止される(アカウントロックされる)ため,当該IDの持ち主は何らかの攻撃対象になったことに気付く.
ところが,リスト型アカウントハッキング攻撃は,同じIDで複数のパスワードというわけではなく,IDとパスワードの組を複数回試していく.このため,試行回数で縛ろうとしても無理,という話になる.
このあたりの話は,徳丸さんの日記に詳しいので,省略する*1

このところ,「大量のアカウントに対して不正にログインされた」という話は多く耳にするが,「それによって(不正ログインされた以外の)実害が発生した」という話はあまり聞かない.

オレがこの話を聞いて感じるのは

  • 入手したリストの確度を確認するために攻撃を繰り返している
  • アカウントごとにログイン成功したサイト数を確認し,より価値の高い(ログイン成功&攻撃に使える)アカウントリスト(=カモリスト)を作成している

ということだ.

  • 入手したアカウントとパスワードのリストは,何もしなければただの文字列の塊である.
  • かといって,実際に何かを仕掛ける時に初めて使うというのも(攻撃側にとって)リスキーである.
  • 攻撃側が(実害を発生させない程度に)認証トライし,リストの品質を確認する

ということを行った結果が,ここのところよく聞かれる攻撃の裏側にあるのではないか?というのがオレが持っている仮説の1つ.なんというか,タダで教えてくれるんだから,これほどおいしいテストシステムはないよねw

で,対策についてはよく言われているが,サービスやサイトごとにパスワード変えてねとしかいいようがない.
機械的に来るアクセスをシステム側で弾くためには,(これまたよく言われてることだが)CAPTCHA認証を入れて,(強制的に)人手を介するようなつくりにすることなどが挙げられる.

…確かに破綻してると言われるわけだわ.

*1:ボロが出るから書かないwとも言うw