wakatonoの戯れメモ

はてなダイアリーから引っ越してきました。

内側から見た富士通〜成果主義の崩壊(ASIN:4334933394)

…言葉もないっすね。
とりあえず、レビューを書いてみたけど、かなりやりきれない気持ちになったのも事実です…。

成果主義」の四文字がもたらす悪影響について、「これでもか」といわんばかりの勢いで述べ立てている書籍。
「日本で最初に」というあたりは、同情する余地があるが、間違った施策を推進し、結果として

  • 賃金カットを目的としたゆがんだ結末
  • 導入したはいいものの、成果を評価できる上司がおらず、結果として形骸化している
  • 正当な評価をしてもらうことをあきらめた優秀な社員が流出する

というようなことをはじめとし、山のような害が本書で報告されている。

もちろん、人事サイドや経営サイドも言いたいことは山ほどあるだろうが、少なくともこのような書籍が出てしまい、結果としてその内容に共感する人*1や否定しない人が少なからずいる*2という時点で、社員満足度という点では「落第」であろう。

この本では、表題が示すとおり「富士通」について述べているが、その部分を他の「成果主義導入済み」大企業に変えた場合、程度の差こそあれ、当てはまる部分もあるのではないだろうか…。
施策を「失敗」と認めた企業の是正のための材料の1つとして、またこれから「成果主義」を導入しようとしている企業には、先人の轍を踏まないための材料として、大いに役立ってくれるはずである。…本書の内容をまず受け入れる度量があればだが。

*1:おそらく社員も相当数含まれるだろう

*2:ように私には見える