良い本を絶やさないためにはどうすればいいか(5)
N0MURAさんの日記に、非常に興味深い(というかオレの書いた内容では見事に弱い部分)内容が記述してあります。全部参考になるんですが、一部だけ切り出すと
(N0MURAさんの日記より引用)
たとえば、良書を残すにあたって最大の難点は、良書を見極めるためには、(場合によってはそれを上回るくらいの)悪書も読まなければならない。
という点と、
なにをもって良書とするか。
が確定しえないところ点にあるからね。
というあたり。
正直、大勢の意見と主観が異なるなんてのはよくある話であり、「オレ良書」が「大多数にとっての悪書」だったりすることってのもあります。
良書認定は、読み手の感受性とスキルに左右される部分でもあるため、良書の決定的なメトリクス(評価指標)はない*1のが現状です。しかしながら、貴重なお金を使って購入という行為に踏み切る以上、無駄なお金は一銭も使いたくないし、使わせたくないというのもあるんですよね。
また、後半には
(N0MURAさんの日記より引用)
今の先達をも超える選球眼を持った読者が時間を超えて存在しなければ
ならず、出版社は時間を超えて“良書”を刊行しなければならず、その
どちらも、そういった活動を可能にする土壌を維持/向上させてゆかな
ければならない。要は、送り手であり受け手である個人が育たないと、
ダメということなんだけどね。
というこれまた手厳しい一言が。でも至言です。
良い本は人を育て、人が本を世に送り出し、そしてその本がまた人を育てる。これの繰り返しが進歩の一つの形
といってもいいでしょう。
ただ、良書だけの世界というのは確率的にはありえる話ではないですし、本を購入するための出費というリスク(これを大きいと取るか小さいと取るかはお任せする)もあります。
ただ、リスクを軽減するために「事前の情報」や「書店」という存在は重要です。読んだ人の生の意見を見ることができたり、現物が目の前にあったりという感じですので。