wakatonoの戯れメモ

はてなダイアリーから引っ越してきました。

1つのライセンスで複数のVMインスタンス稼動をOKとするケース〜Vistaでは、VL+SAのUltimateとEnterpriseで許諾される〜

Windows Server 2003 Enterprise Edition(とDataCenter Editionですかね)では、1つのサーバライセンスで4つまでのVMインスタンスを稼動させることが可能、とあった。
同じことを、Vista Enterpriseでも許している。
ここまでは規定路線。
ところが気になるのは、元麻布春男さんの記事にある内容。以下、気になる部分の引用。


 Virtual PC 2004 SP1の無償化によって、Virtual PC Expressのバンドルが意味をなくすわけだが、代わりにWindows Vista Enterpriseの顧客には、1人のユーザーが利用する1台のデスクトップPCについて、4ライセンスのWindows Vista Enterpriseをインストールする権利を与えるという(Microsoft Virtual PC Guyのblogより)。また、Windows Vista Ultimateでも同等の権利が与えられる。
 現時点でハッキリしないのは、1台にインストール可能な4ライセンスがWindows Vistaに限定される一方で、Windows Vista Enterpriseを購入可能なボリュームライセンサー(ソフトウェアアシュアランスに入っている企業)は、ライセンスをダウングレードする権利を持つことだ。これを組み合わせると、ほぼすべてのWindowsのバージョンについて、最大4バージョンまでWindows Vista上で実行できることになる(そんなユーザーがいるのかどうかは分からないが)。個人向けのWindows Vista Ultimateについても最大4インスタンス利用可能だという。
これ、すごく気になるポイントだったので、マイクロソフトの窓口に聞いてみた。
結論としては、「ボリュームライセンス+ソフトウェアアシュアランス(VL+SA)」で入手したUltimateのライセンスについてはこうなる(VM4つまでOK)、という回答。

あたりまえだけど、VLで入手したVistaにはOSのダウングレード権が付与される*1ので、VL+SAでUltimateなりEnterpriseを入手した場合には「4つまでの『ライセンスに従ってダウングレード可能なOS』を実行可能」ということになります。ちなみにダウングレード可能なOSは以下のとおり(参考:ボリュームライセンスプログラムで取得されるWindows VistaとOffice 2007ライセンスのダウングレード権に関して)。

*1:XPの場合、OEM版でもダウングレード権は付与されるけど、対象となるOSの種類が違ってた。VistaOEM版はよくわからん…

企業がVM上にホストしたVistaを使わせる、というのであれば、EnterpriseかUltimateをVL+SAで買うのはお勧めかな?

要確認だけど、ベストパターンでは、必要なライセンス数が1/4になるw
ちなみにダウングレード権を行使すれば、XPとかも使えるので、新規のライセンス購入を考えるのであれば、検討の余地はあるか。

追記:ちょっとVLに関する話はまた別に確認する必要が…orz

Vista EnterpriseとUltimate(VL版)のライセンスの中にある、インストール数の記述

EnterpriseとUltimateに関する記述を見つけた。
おーもとは
http://www.microsoftvolumelicensing.com/userights/Pur%20Archive/MicrosoftProductUseRights(Worldwide)(English)(Oct2006).doc
の中にある。


11. Windows Vista Enterprise and Ultimate.
The Desktop Operating System section of the product use rights, as supplemented below, provides your license terms for the software. Your rights to use the software become perpetual when your right to use Vista Business Edition becomes perpetual.

For Windows Vista Enterprise
For each license:

a) You may install and use additional copies of the software within up to four virtual (or otherwise emulated) hardware systems on the licensed device. You may not use more than one copy per system.
b) If you run all five permitted copies on the licensed device at the same time, one copy must be used solely to:
• run the hardware virtualization software, and
• manage and service the virtual (or otherwise emulated) hardware systems on that device.
c) You may install and use a second copy of the software on the licensed device in place of one of the copies permitted for use within virtual (or otherwise emulated) hardware systems above.
d) You may use any edition (Business, Enterprise or Ultimate) or a prior version of the software in place of the licensed version for any of the additional copies permitted above.
e) You must use either
Vista Enterprise or Ultimate edition, or
• third party software
to run the hardware virtualization software and to service the virtual (or otherwise emulated) hardware systems described above. You may not use any other edition of Windows software for this purpose. This applies despite any downgrade right you may have under your license agreement.

For Windows Vista Ultimate

  • aでは、1つのシステム(コンピュータ)に干すとされる、4つまでの仮想ハードウェアにVistaをインストールできることを言っている
  • bでは、1つのシステムに同時に5つまでのコピーを許すが、うち1つは以下の条件を満たす目的に「のみ」使われなければならない。
    • 仮想ハードウェアを提供するソフトウェア(Virtual Server 2005R2とか)を稼動させる
    • 当該デバイス上で仮想ハードウェアを管理し、サービスする
  • cでは、VMが使うためのVistaのコピーを、物理コンピュータ上にコピーすることを許す
  • dでは、cで許可される範囲(のVM?)において、Vista Business、EnterpriseまたはUltimate)もしくは前のバージョンのWindowsをインストールすることを許す
  • eでは、仮想ハードウェアを提供するソフトウェアを稼動させるために、Vista EnterpriseもしくはUltimate、またはサードパーティソフトウェアを使わなければならない。ここでは、他のEditionのWindowsを使ってはならない。この条件は、ライセンスアグリーメントにダウングレード権があっても、それを行使できないことを意味する。

とりあえず、この条件を勘案すると、Vista EnterpriseやUltimateでVMをホストする場合には、

  • 1つのライセンスでVM4つを使う場合には、ホストはVistaである必要がある(項目bより)
  • 4つのVistaもしくはその前のバージョンのWindows(クライアント系OS)を稼動させることを許す(項目dより)
  • ホストとなるVistaは、ダウングレード権の行使を出来ない(項目eより)
  • 実行するソフトウェアの内容はVMの動作と管理をするもののみになる(項目bより)

ということになるかな。ということで、世の中は甘くなかった。
VMWare ESX ServerなどのVMモニタを使って、その上にWindows Vistaをホストして使う場合には、VMインスタンス分だけのライセンスが必要となる、という寸法です*1

そもそもなんで4つまでのVM実行を許可するのか?だけど、「それまでの古い環境をVMにホストする」というのがフォーカスにあるので、「クライアントPC上でVMを使いやすくして、環境移行をやりやすくする」というところか。

*1:世の中甘くない(汗)